平安時代に中国から伝わった、美しい満月を愛でる風習。
中秋の名月は旧暦8月15日の月で、必ずしも満月とは限らないらしいですが、この時期は空気が澄んで特に美しいと言われています。
日本で庶民に広がっていくと、収穫を祈って稲穂(の代わりに似ているススキ)を飾ったりするようになったとのこと。
さて今年はお寺のようなところでおまんじゅうを食べながら月見したいと思い…ひらめいたのが、こちら。
美しいかやぶき屋根のあずまや。
中はこんな感じで手すりや机と椅子までありくつろげます。
素晴らしい眺望。
いいですね。最高です。
…が、しかし、屋根が張り出しているため、肝心のお月様が見えませんでした💧
仕方がないのであずまやからは出て、野原に腰かけてお月見することにしました。
みつお万寿のお饅頭。皮のしょっぱさや黒糖の風味が美味しさを引き立てています。
同じく、みつお万寿のみたらし団子。
やわらかくて、たれは濃厚で、いいですね。美味しい。
曇っていて見えないかなあと諦めかけていたそのとき…
なんと、雲の間に月が神々しく輝き、その輪郭を見せてくれました。
晴れている時には決して味わえない、特別な瞬間。
「瞬間よ止まれ、お前は美しい」とファウストの言葉が浮かびました。
…メフィストフェレスに魂持っていかれるところでしたね。
状況が整っていないことが、逆に予想もしない稀有な感動にたどり着かせるという、勇気を与えられる体験になりました。
星や月の写真は、肉眼で感じるのとはかなり差がありますね。
だからこそ、そこにいた人たちだけの特別な思い出になりました。
苦境でも楽しむ勇気を、わずかな時間だけ現れるチャンスをつかむ希望を、ありがとう。